Gary Ray: 店舗拡大のタイミングと理由、そしてその方法

7日 8月 2017年 | 4 分(読むのにかかる時間)

By Gary Ray, owner of Black Diamond Games

店舗経営では、使える現金より多額の計画を実施することが常です。幸運にも成功を収めたのちに目指すところがわからなくなったなら、次のステップは店舗の拡大です。

しかし店舗拡大には多くの落とし穴があり、拡大すべきでない理由もたくさんあります。「今の安定した状況に退屈し新しい刺激が必要になった」など、個人的な理由で行いがちな店舗拡大ですが、コストが非常に大きいため適切な理由で行うことが肝要なのです。

店舗拡大に踏み切るべき最大の理由は、現在の市場を開拓し切ったときです。

例えば貴店のビジネスが数年間力強く成長したものの、その後は年に数パーセントの成長に留まっているとしましょう。コミュニティをしっかりと把握しているにも関わらず、涸れ井戸のように伸びない状況です。

毎年ふた桁の成長率があれば、あなたの経営は正しく店舗拡大の必要はありません。リソースは需要に対して正しく使われているため、恐らく新しい製品ラインナップや備品の拡張に投資するのが良いでしょう。

では店舗拡大が適切だと判断した場合、今度はその具体的な計画を立てるときです。

例えば売り場面積あたりの売り上げを算出したところ、スペースが小さ過ぎることがわかった。あるいは支店を作るかひとつの大きな店舗にするかで悩むこともあるでしょう。私たちの場合は、拡大を決める前にプレイ・スペースの使用状況を数ヶ月間にわたって調査しました。プレイ・スペースの利用者は顧客全体の20%ほどでしたが、それでも影響はあまりに大きく、拡大を決めました。

その結果、私たちは店舗を増やすのではなく大きくすることで、今の店舗をより活発にして収益を増やす計画を立てました。300平方メートルのロフトを増設し、プレイ・スペースに宛てたのです。

実際に増設を始めるにあたり、私たちはこの計画にどれだけのコストがかかるのか見当もつかず、専門家に相談しました。

専門家が出した見積もりは驚くべき数字でした。私たちは最初、5万ドルほどだろうと見積もっていたのですが、なんと業者の見積もりは50万ドルだったのです。しかし結果的に、(工期は見積もりより5ヶ月以上多くかかったものの)最終的なコストは13.3万ドルで済みました。

私はIT関連のプロジェクト・マネージャーの経験があり、発注にはひとつの鉄則があることを知っていました。それは「見積もり相談は3度やれ」です。施工業者と、イベント参加者数のデータや顧客層の統計などを共有しましょう。またカフェ・スペースを追加するといった大掛かりな増設を計画している場合は、まったく新しいビジネス・プランが必要になるでしょう。

私たちの場合は、何年もかけてじっくりと計画したおかげで、実際に工事を始める前に支払いの計画をしっかりと作ることができました。

現金を用意するか、金融計画を立てるか

私たちは元手金を集めるのにクラウドファンディングを利用しましたが、それは全体から見れば小さな金額です――プレイ・スペースを使用するお客さまたちから寄贈いただいた分のおよそ20%ほどです。最終的に、Kickstarterの支援者たちと契約書を交わし、直接90,000ドルを借り受けました。

強固なコミュニティを築いておけば、こういう形で資金を調達することもできます。ただしこの方法を真似できる店舗オーナーはほとんどいないかと思います。他にも資金調達の方法はあります。

資産価値のある住宅を持っているなら、住宅担保の貸付を受けられるでしょう。共同出資者を増やす方法もありますし(私は店舗を拡大するために、資本の10%を出資しました)、またアメリカの中小企業協会ローンのような制度を利用するのも良いでしょう。

しかしどれだけの資金を調達できても、コストは超過するものだと覚悟しておきましょう。私たちのすべてのスケジュールが決まったのは着工の1ヶ月前でした。最終的な予算は見積もりより20,000ドル浮いたので、アーロンチェアも購入しました。しかし実際に工事が終わると、14,000ドルの赤字でした。予想外の痛手ですが、素敵な椅子は手に入りましたね。

すでに店を成功させていることを忘れないでください。

現状に留まることは間違いではありません。無理に店舗拡大をすることは誰も望んでいないのです。「店内が混み過ぎているから誰も来ない」というヨギイズムのようなことは起こりません。混雑は人気の証拠であり、直すべき問題ではないのです。刺激が欲しいなら新しい趣味を始めるのもいいですし、家庭での生活に力を入れるのもいいでしょう。

店舗を拡大するなら適切な理由を見極めてください。需要を正確に分析し、計画をしっかりと立て、現実的な方法で資金調達を行ってください。

(ゲイリー・レイはカリフォルニア州コンコードに店舗を構える「ブラックダイヤモンド・ゲームズ」のオーナーです。彼は店舗経営のかたわらゲーム業界についてのブログを書き、YouTubeチャンネルで面白い企画を追求しています。また12月には、ゲーム店の開店や利益の出し方についての本を出版する予定です。)