ある店舗の繁盛を支えた「STPマーケティング」

6日 12月 2016年 | 2 分(読むのにかかる時間)

ローマのアドバンスプラス・レベル店舗「ギャラクタス/Galactus」は、イタリアのマジックの販売店で初めて成功した店舗のひとつです。「ギャラクタス」は開店当初からイタリアのマジック・コミュニティの中心であり、その名は国内中に知られています。

しかしそんな由緒ある店舗でも、時代に適応しなくてはいけません。ローマはイタリアのマジック・シーンの中心地であり、その市場規模は年々拡大しています。店舗数もプレイヤー数も、イベント数も増加し続けています。「ギャラクタス」はどのようにして、成長を続け発展を続ける市場に20年もの間ついていったのでしょう?

その秘訣は、マーケティングの手本として何十年も続いている3つの頭文字「STP」でした。

セグメンティング/Segmenting、ターゲティング/Targeting、ポジショニング/Positioning

これらを合わせて「STP」というマーケティング手法は、マーケティングの基本として知られています。

STPマーケティングはシンプルながら極めて重要な手法です。その考え方は「どんな市場でも、その特徴や顧客によって細分化することができる」というものです。まずは市場を細かく分類し(セグメンティング)、それから力を入れていく部分を定めます(ターゲティング)。そして、選んだ部分にアピールできることを検討します(ポジショニング)。

ポイントとなるのは、「誰が商品を購入する(可能性がある)のか」(顧客となるのは誰か?)や「最も価値のある顧客層はどこか」(どこに向けて宣伝するのか?)、そして「顧客のニーズを満たすためにどのように努力すべきか」(顧客にとっての利益をどのように生み出すか?)という点を明確にし、適切にリソースを注ぎ込むことです。

各セグメントは、顧客の年齢や所得、地域といった要素による特徴やリソース、好みの傾向などによって分類されます。「ギャラクタス」の場合は、「顧客がマジックにどれだけ力を入れているか」という点が鍵になります。

ローマのマジック・シーンは極めて強力で、ほとんどのプレイヤーが高いレベルのプレイを求めていました――「ギャラクタス」自体もプロ・プレイヤーが足を運ぶ店舗であり、世界王者を輩出しています。それも驚くべきことですが、しかし「ギャラクタス」はそのグループだけに力を注ぐことはしませんでした。

3人の共同オーナーは様々なイベントでカレンダーを埋め、新規プレイヤーから興味を持ったプレイヤーや熱心なプレイヤー、そして熱狂的なファンまで、マジックの顧客層すべてに手を差し伸べたのです。

新規プレイヤー:体験会やティーチング・イベント。シンプルで魅力的なスタート地点があることの大切さは、どれだけ宣伝してもし過ぎることはありません。「ギャラクタス」では、いつでも新規プレイヤーに渡せるようウェルカム・デッキを常備しています。

興味を持ったプレイヤー:(フライデー・ナイト・マジックを含めて)毎週2回ほど、決勝ラウンドのないシンプルなスイス式イベントを開催しています。これは主にプレッシャーの少ない環境で遊びたいプレイヤー向けのイベントで、気軽に試したいプレイヤーには構築済みデッキの貸し出しも行っています。

熱心なプレイヤー:ここから「競技志向」が高まっていきます。火曜日のドラフト・イベントやフライデー・ナイト・マジックのモダン、月曜日のスタンダードなどの大会では、トップ8による決勝ラウンドが行われます。

熱狂的なファン:日曜日は競技志向のプレイヤー向けに、PPTQやその他の高いレベルのイベントが開催されます。また、「キングダム・リーグ」と呼ばれる1ヵ月単位のイベントも行われます。

こういった施策は、程度は違えど多くの店舗がすでに行っていることでしょう。この手法はプレイヤーたちがスムーズにマジックを始めるきっかけとなり、リラックスして楽しめる場所を探す助けにもなり、また競技的な舞台に飛び込むチャンスにもなります。

ぜひ貴店のイベント・カレンダーも見直してみてください。