2017/10/18

Gary Ray: 成功のサイクル

「ブラック・ダイヤモンド・ゲームズ/Black Diamond Games」のオーナーが、プレイヤーたちがゲームのことを考えるとき貴店のことを一番に連想するようになる方法を語ります。

2017/10/18

Gary Ray: 成功のサイクル

「ブラック・ダイヤモンド・ゲームズ/Black Diamond Games」のオーナーが、プレイヤーたちがゲームのことを考えるとき貴店のことを一番に連想するようになる方法を語ります。

By Gary Ray, owner of Black Diamond Games

店舗の最終目標は、顧客にとっての「トップオブマインド」になることです。

トップオブマインドとは、例えば顧客がゲームのことを考えるとき一番最初に「このお店に行こう」と思いつくようになる状態のことです。それを実現するための方法は、実にさまざまです――質の高いカスタマーサービス、スムーズなイベント運営、快適な店内。どれも顧客それぞれの主観にもとづくものなのです。

それでも多くの店舗が、「顧客の求めるものを満たす」ことでトップオブマインドを実現しています。彼らは、顧客が求めるものを求めるときに適切に用意しているのです。彼らは私が「成功のサイクル」と呼ぶものを完璧に理解しています。

成功のサイクルは以下の4つの要素で構成されています。

  1. 顧客が求める商品を把握する
  2. 商品仕入れのための予算を確保する
  3. 商品を適切なタイミングで提供する
  4. ニーズを満たす

この4つの要素でサイクルを築き上げることで、満足感を得た顧客が良いフィードバックをもたらし、また次の購買意欲に繋がります。4つの要素を順番に達成していきましょう。

1.顧客が求める商品を把握する

これを実現するためには、店舗でもオンライン上でも常にお客さまの声を聞き続ける必要があります。

彼らと同じ映画を鑑賞したり、同じゲームイベントで遊んだり、フォーラム等で日々のできごとを共有したりしましょう(私の場合は、Facebookグループでお客さまとの交流を行っています)。お客さまの好みをしっかりと把握しておけば、希望に沿った製品を事前に用意しておくことができるのです。

また、過去の経験を活かすこともできます――新製品の需要予測は、過去に発売した同様の製品のデータを活かして行うことができるのです。こうしてお客さまの期待する製品を用意できたら、次のステップへ:「商品仕入れのための予算を確保」しましょう。

2.商品仕入れのための予算を確保する

「顧客が求めるものを把握する」ことで、適切なタイミングで適切な量の商品を仕入れることができます。仕入れの予算確保には、現金での貯金や融資が必要です。そのために財務状況の成長は欠かせません。

中には必要経費の支払いが終わってから初めて仕入れに取り掛かるオーナーもいます――店舗の総予算の中に、「仕入れ予算」を組み入れているのです。「Open to Buy」のような手法を用いて仕入れ予算を別にすることで、大規模な仕入れの計画を立てたり高額商品の過剰在庫を回避したりできます。

それがうまくいけば、自然と次のステップ――「商品を適切なタイミングで提供する」へ移行できるでしょう。

3.商品を適切なタイミングで提供する

主要な商品の発売日をすべて記録しておきましょう。

「トップオブマインド」を実現している店舗の顧客は、製品が発売日に並んでいることを期待します。彼らは他の店舗や通販を利用する必要を感じていないのです。だからこそ、お客さまが商品を欲しいときに手に入るようにすることが、貴店の義務となります。

そして店舗への信頼が固まった顧客はやがて希望を直接伝えるようになり、成功のサイクルを完成させます。そうなれば、貴店は紛れもない「トップオブマインド」なのです。

4.ニーズを満たす

他の要素を達成していれば、この「ニーズを満たす」も達成できているはずです。顧客が求める商品をその量だけでなく販売期間まで把握し、商品仕入れのための予算を確保しましょう。

そしてその商品を適切なタイミングで提供しましょう。懸命な努力も、タイミングを逸してしまっては意味がありません。新製品がなぜ売れないのかと疑問に思っている店舗の多くが、発売日を見逃していたり売れるタイミングで在庫切れを起こしていたりするものです。きっと心当たりのある方がいるはずです。

私は個人のブログで、ゲーム店の運営についてたくさんの投稿を行ってきました。ですがやはり、基本的なことを突き詰めると今回の話に行き着きます。「トップオブマインド」を実現するには、顧客がいつ何を求めるのかを把握し、適切なタイミングで適切な量を提供することが一番なのです。

(ゲイリー・レイ/Gary Rayはカリフォルニア州コンコードに店舗を構える「ブラックダイヤモンド・ゲームズ」のオーナーです。彼は店舗経営のかたわらゲーム業界についてのブログを書き、YouTubeチャンネルで面白い企画を追求しています。また12月には、ゲーム店の開店や利益の出し方についての本を出版する予定です。)

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