2018/06/14

Gavin Verhey: マジックのティーチングにおける5つのヒント

ネタバレ:「バンド」の説明は省略して大丈夫です。

2018/06/14

Gavin Verhey: マジックのティーチングにおける5つのヒント

ネタバレ:「バンド」の説明は省略して大丈夫です。

Gavin Verhey, Magic R&D

マジックは信じられないほど豊富な戦略と鮮やかな世界と、そして無限の可能性を持つ最高のゲームだ。しかしその奥深さゆえに、新規プレイヤーが学ぶことは多い。ではどこから始めれば良いんだろう?

ここではこの私、マジック開発部のガヴィン・ヴァーヘイ/Gavin Verheyが、マジックの教え方をお伝えしよう。私たちは、『基本セット2019』がマジックを始める絶好の機会になるよう作り上げた。そして店舗の皆さんが新規プレイヤーを獲得し、その後適切に導けるよう便利なツールも用意した。

以下に、マジックのティーチングを行う上で最も大切な5つのヒントをお届けしよう。

1.ウェルカム・デッキを使う

「狂喜」や「授与」、「バンド」のような複雑すぎる能力も、皆さんなら習熟していることだろう(いや、バンドの複雑さを完璧に理解している人なんていないかな)。しかし新規プレイヤーへのティーチングでは、まず彼らの体験をお膳立てすることから始めよう。そこで『基本セット2019』版ウェルカム・デッキの登場だ。

これはデッキを保管する箱として優れているのはもちろんだが、中には(複雑すぎない)基本的なメカニズムのカードが詰まっており、ティーチングに最適なツールなんだ。

2.目的を説明する

ゲームで行うことはすべて、目的に向かうようになっている。例えばバスケットボールの試合であれば、「試合が終わるまでに得点をできるだけ稼ぐ」という目的を伝えてから、その目的を中心に全てを組み上げていくだろう。

マジックのゲームにおける目的は、対戦相手のライフを20点から0点にすることだ。だから私なら、次のように伝える。「お互いにライフを20点持って始める。目的は、自分のライフが0になる前に相手のライフを0にすることだ。そのために、クリーチャーや呪文をいろいろと使っていくんだ」

3.マナの重要性を説明する

マジックの基本はマナというシステムにある。この段階では、以下の内容をしっかり伝えたい。

  1. マジックには5つの色があること(それぞれがどのような特徴を持つかまで説明する必要はないだろう)
  2. 手札の呪文を使うために土地が必要なこと
  3. 自分のターンごとに1度、手札から土地を1枚出せること
  4. 呪文を使うために必要なマナは、土地をタップすることで生み出せること
  5. マナ・コストの見方(「2Rは、使うために土地が3つ必要で、そのうち1つは赤マナを出せる土地でなければならない、ということだね」)
  6. タップしたカードは自分のターンのはじめにアンタップすること

その後、土地以外にどんなカード・タイプがあるのかを簡単に説明していく。つまり、クリーチャーとインスタント、ソーサリー呪文だ。

これらの違いを強調しておくといいだろう。クリーチャーは唱えると戦場に残り、使い続けることができる。インスタントとソーサリーは、使って効果を発揮したら終わる、使い捨てのカードだ。

どうやって戦闘するかとか、それぞれの呪文がどういう効果を持つかとか、その他余計なことはここでは触れない。複雑にしすぎないよう、慎重に進めよう。焦らず確実に……よし、プレイの時間だ!

4.シャッフルして、7枚引いて、始めよう!

ゲームの最も面白い部分は、ルールを覚えるところではなく、ゲームをプレイするところにある。あとは実際にゲームを始めて、どのようなことが起こるのか体験しながら説明しよう。

まずはお互いに何ターンか進めてみる。私の場合、最初のゲームはお互いの手札が見える状態で始めることが多い。こうすることで、相手ができることを確認しつつ、うまくゲームを進められるからだ。だが重要なのは、相手が自分で何かを行うことだ。

すべてのターンで何もかもを説明する必要はない。単に「カードを引いて、土地を出して。他に何か出せるものは?なければこっちのターンかな」というぐらいで十分だ。最初の数ターンはそれで問題ないだろう......

5.戦闘!

どちらかが攻撃可能なクリーチャーを用意したら、戦闘の説明をする時間だ!

私はここでパワーとタフネスについて説明する。(「パワーはそのクリーチャーが与えるダメージの数だ。タフネスは、同じターン中にそこまでダメージを受けると死ぬ数だ」というようにね。)

まず「クリーチャーは攻撃するためにタップが必要である」という説明から始めよう。そして「ブロックされなければそのパワーと同じ数だけ相手プレイヤーのライフが失われる」と続ける。それから、「クリーチャーでクリーチャーへ攻撃はできない」ということをはっきりとさせておこう――攻撃先はプレイヤーだ。これがマジックと他のゲームの大きな違いだ。

防御側のプレイヤーがクリーチャーをコントロールしているなら、そこでそれぞれが取りうる選択肢をすべて図にして解説し、戦闘の仕組みを説明すると良いだろう。

ここまで来れば、あとは適切に導けるだろう。何よりも楽しむことを忘れないでくれ!こちらの目的は、このゲームの楽しさを伝えることだ。相手が失敗したときに巻き戻したり、初手に土地が無ければまた7枚からやり直したり――最初のゲームが楽しいものになるよう工夫しよう。

ぜひ今日紹介した5つのヒントを心に留めて、『基本セット2019』で新規開拓へ踏み出してくれ!質問等あったら、気軽にTwitter(@GavinVerhey )で声をかけてほしい。

『基本セット2019』に、私たちと同じくらい手応えを感じてくれるのを願っているよ。楽しんでくれ!

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