人は、強い感情を覚えたときにその体験の良し悪しを判断します。つい忘れがちですが、私たちはその最高点と最低点を意識するべきです。

それは「ピーク・エンドの法則」と呼ばれ、私たちにとっては諸刃の剣です。序盤のラウンドでつまづきながらもトップ８へ滑り込んだプレイヤーは、最高の体験として記憶に残るでしょう。しかし同時に、同じ成績で９位に終わったプレイヤーは、悪い体験として記憶に残るはずです。

どちらの場合も、その瞬間が体験全体に影響します。だからこそ、イベントは慎重に扱い、良い瞬間を生み出せるようにしなければならないのです。

そしてそのためには、「ピーク・エンドの法則」の考え方をしっかりと理解しなければいけません。

同じ成績のプレイヤーが現れたとき、WERはタイブレークに従って順位を決定します。

タイブレークの仕組みは以下の通りです。

まずそれぞれのプレイヤーのオポネント・マッチ・ウィン・パーセンテージを参照し（より強い相手を倒してきたプレイヤーが有利になります）、次にゲーム・ウィン・パーセンテージを参照し（2-1での勝利より2-0での勝利が多いプレイヤーが有利になります）、そしてオポネント・ゲーム・ウィン・パーセンテージを参照します（2-0での勝利が多い相手を倒してきたプレイヤーが有利になります）。

タイブレークはややわかりにくい仕組みです。序盤の敗北は終盤の敗北より重く、直接対決で勝ったプレイヤーに最終順位で負けることもあり得ます。また、不戦勝はウィン・パーセンテージに加算されません。

こういった特殊なルールは厄介な状況を引き起こし、悪い体験を生み出しかねません。

では、それを避けるにはどうすれば良いでしょう？

タイブレークを回避する３つの方法

イベントの終盤にタイブレークが発生し、その結果によってトップ８入賞を逃すプレイヤーが現れたり、最終ラウンドの１敗だけで４位に終わるプレイヤーが現れたりする場合に備え、以下の方法を試してみてください。

１.タイブレークを無効にする

タイブレークによる影響を簡単に回避するには、賞品を順位ではなく勝利数に応じて出すのが一番です。この方法は、プレイヤーたちを最後までイベントに留める効果も期待できます。

ただし、賞品の総量は事前に見積もっておくべきでしょう。参加者数を入力すれば成績別の人数を分析してくれるSwiss Triangleのようなツールもありますので、ぜひご利用ください。

２.順位を常に表示しておく

勝利数に応じて賞品を出す方法が使えない場合もあります――トップ８による決勝ラウンドがあるイベントがその一例です。その場合は、順位を明示しておくことが大切です。

タイブレークは、WERで順位表を印刷することで表示されます。また、[順位]タブからも確認できます。

トリビア：マッチ・ウィン・パーセンテージは、0.33以下は切り上げられます。そのため、負けが込み過ぎているプレイヤーの成績はタイブレークに大きな影響を与えません。

この方法を用いることで、あなたが結果を正確に入力していることをプレイヤーたちに伝えることができ、順位表がどのような仕組みになっているのかを教えることもできます。

３.事前に知らせておく

賞品の出し方に関わらず、それを事前に伝えておきましょう。

イベントのルールをポスターに掲示しても良いですし、口頭で直接伝えても良いでしょう。プレイヤーたちの不満を和らげるには、事前にしっかりと知らせておくことが大切です。

勝利数に応じて賞品を出す。順位を掲示する。そして事前に知らせておく――早速、『破滅の刻』スタンダード・ショーダウンのイベントで試してみてください！