By Jennifer Haines, owner of The Dragon in Ontario, Canada

公式発売日に先がけてブースターボックスを販売し、お客さまに素晴らしいボックス購入特典プロモを配布できるのは、WPN店舗の大きな特権です。しかし先行リリースを活かした場合、ボックスはどれくらい手元に残るでしょう？発売日のためにボックスをとっておくべきか？ それとも売り切ってあとで再発注すべきか？

その疑問に答えを出すためには、さまざまな要素を考慮する必要があります。『テーロス還魂記』では、ボックス購入特典に特別なフォイル仕様「ニクス土地」が付いてくるという発表がありました。計画を立てるために必要な情報は出揃いましたね。

ここでは、『テーロス還魂記』に向けて私が考慮している要素をご紹介します。

１.キャッシュ・フロー

皆さんご存知のことかと思いますが、「キャッシュ・フロー」はビジネスがどれだけ経済的に機能するかを決める主要な要素です。私が「とっておく」戦略に二の足を踏む主な理由は、キャッシュ・フローを止めたくないからです。

また、私は他の店舗――特に通販に力を入れている店舗の戦略を予想しています。中には「売り切る」戦略をとりながら「とっておく」戦略も両立させる店舗もあります。つまり莫大な数の製品を発注し、私の店ではやらないような方法で素早く売っていくのです。

他店の戦略は、私がどれだけの数をどれだけの早さで売れるかを左右します。ですが私は、長期的に見て健全な経営ができるよう責任を持って決断するつもりです。なので、キャッシュ・フローやスタッフのリソース、在庫の流れを止めないように、いつもより少ない数のボックスをゆっくり売ることもあります。

そしてそれに関連して……

２.在庫

在庫は、特にセットの販売が期待通りにうまくいかず、ボックスが長く売れ残ってしまうと問題になり得ます。

程度の違いはあれど、在庫はすべての店舗にとって悩みの種でしょう。私たちもよく、旬を逃した製品を長く持ち過ぎてしまうことがあります。在庫が常に問題になっている場合は、状況をしっかり確認し、より利益につながる製品を優先するために、仕入れの計画を見直しましょう。

これまでの経験ですが、マジックの最新製品がおすすめです。そしてこれまでの経験といえば……

３.過去のデータ

ここまでは「売り切り」戦略に関する要素を見てきました。では、「とっておく」戦略が有効なのはどういう場合でしょうか？

私の直近のセットのデータを見てみると、１セットを除いて他はすべてプレリリースの週末にボックスが売り切れており、公式発売日の前に追加発注の必要に迫られていました。このデータから、私の発注量が少ないことがわかります。

これまでは商品がなくなったら問屋を頼ってこられましたが、もし問屋の在庫も切れていたらどうなっていたでしょう？事前にボックスを十分に確保しておけば、セットが大ヒットしても問屋の在庫を心配する必要はありません。

それから、プレリリース後もFNMのブースタードラフトやパック単体での販売など、ボックス販売以外でもパックを販売する機会は多いことがわかりました。これらを考慮すると、在庫が多い方が有利だと考えられます。

過去のデータを見るに、私の店の『テーロス還魂記』での割り当ては２、３か月分になる見込みです。正直に言って、この製品は私の店の奥でほこりを被っている古い製品よりずっと良いものです。

４.特別なプロモ

割り当てをすべて活かすことには他にも利点があります。ボックス購入特典プロモはボックス売り上げを伸ばす起爆剤であり、WPNの大きな特典の１つなのです。さらに『テーロス還魂記』では、そのボックス購入特典プロモにフォイル仕様の「ニクス土地」も付いてきます。

豪華なフルアート版基本土地は、すでにコミュニティの話題になっています。『テーロス還魂記』ブースターパックからも手に入るとはいえ、確実にフォイル仕様のものが手に入るのは魅力的でしょう。さっそく貴店のお客さまにも声をかけて、ボックス購入特典を宣伝しましょう。

私としては、『テーロス還魂記』では「売り切る」よりも「とっておく」方がやや有利だと思います。プレリリースで売り切れてしまうことが多い経験から、マジック製品は比較的短い期間で売れることがわかっています。その後必要なときに製品を確保できる保証はありません。

ですがもちろん、在庫状況も過去のデータも、貴店にはここでお話ししたことが当てはまらないかもしれません。ぜひ貴店の基準で検討して、正しい判断を下してください。