2019/08/29

Mark Rosewater: ブースターファン・プロジェクト

26年間にわたり、マジックのブースターパックの仕様はただ1つでした。そこに変化が訪れます。マジックの主席デザイナーから詳しい話をお届けします。

2019/08/29

Mark Rosewater: ブースターファン・プロジェクト

26年間にわたり、マジックのブースターパックの仕様はただ1つでした。そこに変化が訪れます。マジックの主席デザイナーから詳しい話をお届けします。

以下はマーク・ローズウォーター/Mark Rosewaterによる「Project Booster Fun」記事の概要です。元記事はこちらをご覧ください。

Mark Rosewater, Head Designer for Magic: The Gathering

昨年、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストで組織再編が行われた。我々は「スタジオ」式の組織形態となり、特定の製品を中心に各チームが立ち上げられるようになった。我々「開発部」として知られるチームは社内のいくつかの部署と統合され、テーブルトップ・マジックのスタジオになったのだ。

スタジオが設立されて我々が最初に取り組んだのは、テーブルトップ・マジックをより良くするためにはどうすればいいか自問することだった。

我々はそれについてブレインストーミングと議論を重ね、ある目標を立てた――「マジックのブースターパック開封体験をもっと良くしよう」と。無論、今のままでもパック開封はとても楽しい。だがそれは、改善の余地がないという意味ではない。

さまざまなアイデアを吟味し、意見を交わし、会議を重ねた結果、我々は目標を達成するための主な2つのテーマを定めた――サプライズ性主体性だ。

サプライズ性

ブースターパックの開封をよりエキサイティングにするためにはどうすればいいか?よりクールで美しい仕様のカードを封入するのが一番だ。そこで我々はプロジェクトチームを発足し、どんな素晴らしいカード仕様ができるかを研究した。この研究は「ブースターファン・プロジェクト」と呼ばれた。

その結果、『エルドレインの王権』から新たに3つのカード仕様が登場し、ブースターパックに封入されることになった。それぞれのカード仕様を紹介しよう。

拡張アート版プレインズウォーカー:

 

これはアートが枠の外まで広がっているプレインズウォーカー・カードだ。このカード仕様は「ミシックエディション」で用いられた。『エルドレインの王権』からは、特定のブースターパックにこの拡張アート版プレインズウォーカー・カードが封入されるのだ。

無論、見慣れた通常版のプレインズウォーカーもこれまでと同じ封入率で封入される。これらのクールな拡張アート版も一定の割合で封入されているというわけだ。

拡張アート:

このカード仕様では、カードのアートが左右ともカードの縁まで広がっている。これは『アルティメットマスターズ』のボックストッパー・カードで用いられたものだ。

『エルドレインの王権』からは、特定のブースターパックのレアまたは神話レアがこの拡張アート版になるのだ。

ショーケース・フレーム

今後は、セットごとにそのセットのテーマを表現したクールなカード仕様が登場する。セットのテーマに合った新スタイルのアートとカード枠に彩られるのだ。

『エルドレインの王権』を例に挙げよう。このセットでは新たなメカニズムが登場する。それはまだ公開できないが、そのメカニズムをテーマにした新たなカード枠を披露しよう。

こちらは通常版だ。そしてこのメカニズムを持つカードには、通常版より低確率で出現する「ショーケース・フレーム」版が存在する。

「ショーケース・フレーム」版は、ブースターボックス1箱につき少なくとも数枚が手に入るように設計されている。さらに、上述した3つのカード仕様にはフォイル版も存在する。

 

主体性

 

『アルファ版』の頃から、基本的にマジックのブースターパックの仕様はただ1つだった。それは多くのプレイヤーのニーズを満たすものではあったかもしれないが、すべてのプレイヤーのニーズを満たすものではないはずだ。ではブースターパックの種類を増やし、プレイヤーに選択肢を与えるというのはどうだろう?

そしてそれをどのように実現すればいいのか?我々は過去を振り返り、ブースターパックについて再考した。

その結果、『エルドレインの王権』からは、ブースターパックに3つの選択肢が生まれることになった。

ドラフト・ブースター

これは26年にわたり続いてきた、諸君も良く知るマジックのブースターパックだ。変更点を挙げるとすれば、名前を付けたことだけだ。今後は、「ドラフト・ブースター」と呼ばれることになる。なお、封入されるカードはこれまでと同じである(ただし、新たに拡張アート版プレインズウォーカーとショーケース・フレーム版カードが加わる)。

Theme Booster

これは『ラヴニカのギルド』で登場した。この製品は、カードを多く手に入れることを優先するプレイヤーや出現するカードの種類をある程度コントロールしたいプレイヤーに向けたものだ。各テーマ・ブースターには35枚のカードが封入されており、そのすべてがテーマに沿ったものである。購入したプレイヤーが欲しいものを手に入れやすくなっているのだ。

カード枚数:35枚(+マジック早見表カード1枚) 製品の種類:Theme Boosterごとに異なる(『エルドレインの王権』の場合、各色1つずつの全5種類)

内容:

  • レアまたは神話レア 1枚
  • コモンまたはアンコモン 33~34枚
  • マジック早見表カード 1枚

コレクター・ブースター

「コレクター・ブースター」は、カードのコレクションに価値を見出すプレイヤー向けの製品だ。貴重なカードを集めることを優先するプレイヤーにとって最適な製品になるよう設計されている。

なおコレクター・ブースターの導入を記念して、『エルドレインの王権』ボックス購入特典キャンペーンでは通常の限定プロモカードに加えてコレクター・ブースターも配布される。(数量には限りがあり、地域によって異なります。ボックス購入特典プロモより少ないと予想されます。 )

カード枚数:15枚(+フォイル仕様トークン1枚) 製品の種類:1種類

内容:

  • 拡張アート版レアまたは神話レア 1枚
  • フォイル仕様レアまたは神話レア 1枚
  • フォイル仕様コモンまたはアンコモン 9枚
  • 特別なカード枠のカード 3枚(ショーケース・フレームまたは拡張アート版プレインズウォーカー)
  • 限定カード 1枚
  • フォイル仕様トークン 1枚

このブースターパックはやや複雑なため、それぞれの枠について説明しよう。

拡張アート版レアまたは神話レア 1枚

この枠には拡張アート版のレアまたは神話レアが封入される。特別なカード仕様が用意されていないレアや神話レアについても、拡張アート版が出現するのだ。

フォイル仕様レアまたは神話レア 1枚

この枠には、フォイル仕様のレアまたは神話レアが封入される。拡張アート版プレインズウォーカーや拡張アート版カード、ショーケース・フレーム版カードも含まれる。

フォイル仕様コモンまたはアンコモン 9枚

これらの枠には、フォイル仕様のコモンまたはアンコモンが封入される。ショーケース・フレーム版カードのような異なるバージョンのものも含まれる。

特別なカード枠のカード 3枚(拡張アート版プレインズウォーカーまたはショーケース・フレームのカード)

これらの枠には、拡張アート版を除いた特別なカード枠の、通常仕様のカードが封入される。つまり拡張アート版プレインズウォーカーとショーケース・フレーム版カードが、通常仕様で出現するのだ。

限定カード 1枚(通常仕様)

この枠には、そのセットの新規カードでありながらドラフト・ブースターからは出現しないものが封入される。例えば『エルドレインの王権』の場合、ボックス購入特典プロモカードやプレインズウォーカーデッキの限定カード、そして『Brawl Decks』のカードが封入されるのだ。

フォイル仕様トークン 1枚

この枠には、ドラフト・ブースターから出現するトークン・カードのフォイル版が封入される。トークン・カードのフォイル版が手に入るのは、コレクター・ブースターだけだ。

この記事で、ブースターパックの開封体験をより良いものにしようという我々の取り組みを諸君に伝えられたなら幸いである。

『エルドレインの王権』はすごいセット(我々の手による「キャメロットとグリム童話の融合」を諸君が目にする日を待ち切れない)であるだけでなく、マジック・ファンがこのセットを味わうための新たな方法を提供するものである。エキサイティングな新仕様のカードから豊富な製品ラインナップまで、存分に楽しんでほしい。

その日まで、私の新セットへの期待があなたに共有されますように。

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