2017/11/16
「デザート・スカイ・ゲームズ/ Desert Sky Games」のオーナーが、ゲーム店にしかない強みを語ります。
2017/11/16
「デザート・スカイ・ゲームズ/ Desert Sky Games」のオーナーが、ゲーム店にしかない強みを語ります。
By Michael Bahr, managing partner of Desert Sky Games and Comics
「サード・プレイス論」を学び活かせるのは、ゲーム店ならではの強みです。それをきちんと活かせば、限られたスペースで効率的かつ安定した経営が可能になり、膨大な在庫を管理する必要がなく、骨身を削るほどの値下げも必要なく、お客さまの体験を損ねることもありません。
このサイトや私のブログ、ゲイリー・レイ/Gary Rayのブログをご覧になっている方なら、「サード・プレイス論」についてはご存知でしょう。サード・プレイス論では、自分の家を「ファースト・プレイス」、職場を「セカンド・プレイス」と呼びます。誰もがほとんどの時間をそのどちらかで過ごすことでしょう。
カフェやサロン、教会――ファースト・プレイスでは生活が営まれ、セカンド・プレイスでは仕事が営まれ、そしてサード・プレイスではコミュニティ活動が営まれるのです。
サード・プレイス論の提唱者であるレイ・オルデンバーグ/Ray Oldenburgは、サード・プレイスの特徴を以下のようにまとめています。
オルデンバーグのリストには他にも特徴が並べられていますが、まずはこれらから始めてみましょう。
無料または安く入れること。サード・プレイスは、コンサートのように少なくない料金を払い受動的に楽しむ場所ではありません。積極的に人との交流を楽しむ場所なのです。
近所にあること。遠くへの旅行も、サード・プレイスの理念から離れてしまいます。私たちは毎日職場へ通勤しています。リラックスして自分の時間を楽しむ前にまた移動しなくてはいけないのでしょうか?
常連がいること。サード・プレイスが機能しお客さまが再来店するようになれば、自然と常連は生まれます。そうやって自然と常連になったお客さまは、昔なじみとも初めて会う相手とも等しく交流を楽しめるのです。
以前も書かせていただきましたが、どんなに画期的な経営をしていても収入がなければ生き残れません。
サード・プレイス論では、貴店を誰かにとってのサード・プレイスにした上で、それに伴う商品やサービスで収入を得ることを推奨しています。貴店がサード・プレイスになれば、貴店を愛する「お得意さま」を獲得できます。そしてお得意さまを獲得できれば、収入に繋がる道が開けるのです。
サード・プレイスの戦略の中には、開店前に行うと効果的なものもあります。他の戦略も早い段階で行うべきでしょう。どちらにせよ、サード・プレイス論は店舗経営の基本的な部分に効果を発揮するのです。
以下に、すぐにやるべきことをご紹介します。
1.行動規範を掲示する。特に凝ったものでなくても、店内のマナーを見直すだけでスタッフの教育や貴店のブランドの印象、プレイ・スペースの雰囲気が変わります。
2.よいものを揃える。お客さまは気に入ったものをすべて買うわけではありませんが、少なくともチェックはします。むやみに在庫を増やしたり装飾をしたりしないよう気をつけてください。貴店の腕の見せどころです。
3.顧客獲得に努める。とにかく人がいなければ話になりません。手間のかからない買い物体験を実現し新たな常連を獲得し続けましょう。良い体験からまた次の良い体験へ繋いで、お客さま側に知識を求めない接客を心がけてください――そうやって初めて興味が湧くのです。
以下は、経営が軌道に乗って店舗拡大の時期がきたら意識しましょう。
1.サード・プレイスがない地域を探す。まだ別の店舗が根付いていない穴場を探しましょう。別の店舗がある地域は、その店舗がサード・プレイスとして機能しているのです。
2.グループによって別のプレイ・スペースを用意するか検討する。仲間内だけで遊べるのも魅力的ですが、店舗の賑やかさを感じながら遊ぶのも捨てがたいものです。こればかりは貴店の拡張プラン次第で費用も莫大なので、じっくり検討してください。
3.飲み物や食べ物の提供を検討しているなら、今はっきりと決断する。売り込む必要なく安定した収入源となる飲食物ですが、これを提供するとなると貴店のビジネス・プランが根本から変わります。
ビジネスは維持できてこそ意味があります。訪れた人に強みをはっきりと提示できるビジネスは、最高のものと言えるでしょう。
貴店がお客さまにとってのサード・プレイスになれるなら、お客さまが喜んでお金を使う土壌ができるのです。
マイケル・バール/Michael Bahrは、アリゾナ州フェニックス近郊に2店舗を構える「デザート・スカイ・ゲームズ&コミックス」のオーナーです。アリゾナ州立大学で法律の学位を取得した彼は、行政の健康管理職として7年勤めたのちに現在の職に就き、またレベル3ジャッジとしても4年間にわたり精力的に活動していました。
(ウィザーズ社は、この記事にて言及されている書籍および著者、またそこで表現されている意見に関して、推奨および推薦、その他何らかの意見を表明するものではありません。)