2016/03/16

「サイレント・マジョリティ」の声を聞くには

顧客の要望にしっかり応えるためのコストのかからない方法をご紹介

2016/03/16

「サイレント・マジョリティ」の声を聞くには

顧客の要望にしっかり応えるためのコストのかからない方法をご紹介

本来、お客さまからのフィードバックはこちらから積極的に働きかけて集めるものです。しかし現代において、それは自然と集まってきます。

利点に目を向けると、ソーシャルメディアによってお客さまとのコンタクトが取りやすくなり、新しい意見を取り入れたり要望に応えやすくなったりしていると言えるでしょう。

しかしその一方で、オンライン上で得られるフィードバックは本質的に受け身なものであり、さらに強い満足感と強い不満感の両極端な評価を招きやすくなります。

そして最も重大なことに、ほとんどのお客さまはそのうち意見を伝えるのを諦めてしまうのです。

お客さまの大多数がオンラインで意見を述べなくなったときに、どうやってその声を聞くか?

「クレイジー・スクウェレル・ゲーム・ストア/Crazy Squirrel Game Store」のジェニファー・ウォード/Jennifer Wardは、2月に20人のお客さまを集めてピザを囲み、彼らから直接アイデアを聞き取りました。

ジェニファーはプレイスペースのルールを変えようと考えていました。これまでは「バックエンド」(商品を購入すればプレイスペースが利用できる)方式だったのを「フロントエンド」(プレイスペースの利用料を払えば店内で使えるクーポン券が手に入る)方式にしようと考えたのです。これは大きな変更となるため、彼女はお客さま全員の反応を伺ったというわけです。

彼女はこのようなことを多く行っています。

なんと店舗を開く前にも、地元のゲーマーたちがソーシャルメディアを通して立地を綿密に調べ、ジェニファーを助けたのです。最近では、FNMがマンネリ化しているというフィードバックを受けた彼女はコミュニティ全体からアイデアを募り、刺激的なイベントを開催して好評を博しました。

「私たちは常にお客さまとの対話を心がけています」とジェニファーは言います。「ぜひ試してみてください」

本日の店舗

Crazy Squirrel Game Store

所在地: カリフォルニア州、フレズノ(人口500,000人)
WPNレベル:アドバンスプラス
営業年数:5年
店舗の広さ:販売スペース610平方メートル。プレイスペース610平方メートル。
ウェブサイトhttp://www.crazysquirrelgamestore.com (「すぐに更新します!」――ジェニファー)

しかし今回の問題はそう簡単なものではありません。この地域でプレイスペースに料金を設けているのは「クレイジー・スクウェレル」のみであり、そのルールを変えたというのは大きな出来事でした。

とりわけ、これで失う可能性のある顧客は声の小さい――「サイレント・マジョリティ」なのです。

当然、ジェニファーも不安を抱えていました。

「このアイデアが賢いものなのか愚かなものなのか、私には判断できません」と、彼女は前もってミーティングで言いました。

すると多くの従業員が賢いアイデアだと意見をくれたのです。

コミュニケーションの窓口をふたつ設ける

ジェニファーは、よりプライベートな、肩の力を抜いて意見を言い合える場として顧客顧問委員会を設置しました。そこでは、従業員ではないものの店舗のビジネスの助けとなる人々が、お客さま目線で意見を交わします。

MicrosoftSalesforceといった企業においては、顧客顧問委員会はお客さまの社会的な資本を育て、ビジネスに必要なアイデアを提供しています。

ですがジムや喫茶店、そしてゲーム店のような「サードプレイス」においては、お客さまは社会的な資本ではなく「社会的な繋がり」を求めます。サードプレイスの顧客にとって、顧客顧問委員会は共同意識を育み、そのメンバーに必要なものを提供しているのです。

これこそ、大きな成功を収めている店舗がみな強固なコミュニティを築くことに力を注いでいる理由です。ジェニファーが行ったお客さまとのミーティングもそういうものです。それ自体は包括的な会議――積極的に意見を発しないお客さまの声を聞く手段として行われていますが、同時に、店舗の成功のために協力して欲しいという依頼でもあるのです。

ジェニファーの狙いはまさにそこにありました。

彼女はこのミーティングを2時間行う予定でした。しかし終わってみれば、4時間にわたって意見が交わされました――しかも議題はプレイスペースのルールについてのみです。

しかしその甲斐あってか、プレイヤーたちはウェブサイトで意見を発するようになりました。ソーシャルメディアを活かした戦略。名札を色分けして従業員も身につけるなど、新規のお客さまをコミュニティに結びつけるためのアイデア。どの提案も、お客さま自身のためだけでなく店舗のことも考えられたものでした。

これらの提案のうちいくつかはもう実行に移され、さらに続く予定です。

こうして、「サイレント・マジョリティ」は「価値ある情報源」へと変わったのでした。

By Matt Neubert

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