2019/07/29
『エルドレインの王権』では新たな製品が登場します。プレイヤーたちがそれぞれに合った製品と出会えるように導く方法を、ジェン・ヘインズ/Jenn Hainesが解説します。
2019/07/29
『エルドレインの王権』では新たな製品が登場します。プレイヤーたちがそれぞれに合った製品と出会えるように導く方法を、ジェン・ヘインズ/Jenn Hainesが解説します。
オンライン・ショッピングの選択肢が無数にある現代において、わざわざ家から出て貴店に足を運ぶというのは何か意味があるはずです。店舗まで買い物に行く人たちは、接客を求めています――たとえ何を買えばいいか相談したいだけであっても。店舗スタッフにとって、これはお客さまが趣味を始めたり、より深く楽しんだりするのを後押しする一大チャンスです。そしてそのためには、お客さまが求めるものを把握し、お客さまに合う製品を的確におすすめすることが大切です。
お客さまが求めるものは、そのお客さまの種類によって決まります。ゲーム業界においては、3つのタイプに分類されます――「そのゲームが初めての人」、「そのゲームをある程度プレイしており、次の段階に行きたいと思っている人」、そして「そのゲームの熱烈なファン」の3つです。
ここでは、各タイプのお客さまに私のスタッフがどのように対応し、どんな話をするのかお教えしましょう。
そのゲームが初めての人は、最初から「何をお求めですか」と声をかけられるのを嫌がるかもしれません。
それによって、初心者にも関わらず「そのゲームについて詳しくないといけない」という先入観を持ってしまう恐れがあるのです。こういったお客さまには、熱意と明るさと製品の基本的な知識があれば、どのスタッフでも接客を任せられます。
ただし、その際に気をつけるべきことが2つあります。
1つは、基本的な製品に絞っておすすめすること。マジックの場合は、ウェルカム・デッキとプレインズウォーカーデッキですね。
そのゲームが初めてのお客さまは、最も始めやすい方法を求めています。おすすめする製品を入門を助けるものに絞るのが最善なのです。まずは「始めたい」という欲求を満たしましょう。ですがもちろん、お客さまがもっと深く味わいたいと希望するなら、上級者向けの製品もあることを伝えましょう。
2つ目は、専門用語を使わないこと。
新規プレイヤーは「召集」や「ディミーア」といった用語に圧倒されてしまいます。最初は色ごとの特徴や基本的なメカニズム(「黒は死んだものを生き返らせるのが得意な色です」など)を紹介するに留めれば、そのお客さまの興味に合ったウェルカム・デッキやプレインズウォーカーデッキをおすすめできるでしょう。
始めたての人の接客に必要とされるのは基本的な知識のみですが、次の段階に行きたいと思っている人の接客をする際には、次にどのような選択肢があるのか知っていなければなりません。
始めのころに伝えた「上級者向けの製品」――エキスパンションやサプライ品などをおすすめしましょう。そのゲームには高い拡張性があることを伝えたいところですが、プレイするためにはたくさんの製品を買う必要があると思われてはいけません。
マジックの場合、スリーブやデッキボックスなどのサプライ品を選ぶ手助けをしつつ、デッキを強化するために効果的なブースターパックをおすすめする時期です。
スタッフがこれらの製品について学ぶのに最適な方法は、一番売れているものを観察することです(お客さまもそういった情報を好みます)。また、他のお客さまに使っているサプライ品の感想を聞いたり、各ブースターセットの違いについて話してみたりするのも良いでしょう。
一番難しいのが、熱烈なファンの接客です。このタイプのお客さまはお客さま自身もかなりの知識を持っているため、接客する側にも豊富な製品知識が求められます。さらに彼らは、欲しいものが自分でわかっています。ですが中には熱烈なファンに「なりかけている」お客さまもいるため、手を差し伸べる余地がないわけではありません。
そういうお客さまには、フォーマットの違いやそれぞれのフォーマットに最適な製品などを教え、熱烈なファンになる手助けをしましょう。
『エルドレインの王権』で登場する新製品「Brawl Decks」が良い例です。これはブロールというフォーマットの基本を知るのに役立つ製品であり、収録されるカードは統率者戦のプレイヤーにとっても魅力的です。(スタンダードでも有用かもしれませんが、内容を確認してから判断するつもりです。)
スタッフに熱烈なプレイヤーがいない?新製品の主なターゲットについては、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストが記事で伝えてくれます。例えば、『エルドレインの王権』で登場する「Brawl Decks」や「コレクター・ブースター」についてはこちらをご覧ください。
あらゆる商品には、利益を生み出すための大原則が2つあります――1つはお客さまと会話を交わし、その人が求めているものを把握すること。もう1つは「同じプレイヤーとしてあなたのことはよくわかります」という姿勢を見せて安心感を与えることです。
コミュニケーションを経て信頼を築けば、あなたのおすすめに耳を傾けてくれるようになるでしょう。時間をかけて店舗へ足を運ぶのは、あなたがニーズを満たしてくれることを知っているからなのです。