2016/05/31

しっかり定着するマジックの教え方

フロリダ州の小さな町の店舗をアドバンスプラス・レベルまで引き上げた、明快なマジックのティーチングをご紹介

2016/05/31

しっかり定着するマジックの教え方

フロリダ州の小さな町の店舗をアドバンスプラス・レベルまで引き上げた、明快なマジックのティーチングをご紹介

「ビッグ・ダディ・ゲームズ/Big Daddy Games」は、ほとんどゼロの状態から記録的な早さで、活気あふれる力強いマジック・コミュニティを築き上げました。

わずか6ヵ月前の開店以来、この店舗は116人ものプレイヤーを引き込みました。驚異的なことにそのうち70%に当たる79人のプレイヤーが、これまでマジックを店舗で遊んだことのない人たちだったのです。

オーナーのマット・シュタインハワー/Matt Steinhowerはこの成功の要因を、独自の分かりやすいマジックの教え方にあると考えています。3つのステージに分けて行われる「マジック基本のイロハ」は、ただゲームをプレイするよりずっと多くのことを学べるのです。

今回は、その方法をご紹介します。

イロハの「イ」:「基本的なこと」からは、基本以上のことが学べる

マジックの基本ルールからは、もちろんこのゲームの基本的なことが学べます。アンタップ、アップキープ、ドロー。「タップ」するのはマナではなく「土地」であること。本当に基本的なことです。

ですがマットは、その基本的なことを広い視野で見ていました――彼はマジックのキャラクターそれぞれが持つ特徴を私たち人間の性格と結びつける、というアイデアを用いたのです。

それを伝えるために、彼はプレイヤーたちにマジックの5色それぞれについて、そのイメージや性格を説明しました。そして、それぞれのプレイヤーが気に入りそうな「ウェルカム・デッキ」を手渡したのです。

「プレイヤーたちの目が輝くんですよ――この色は私だってね」と、マットは言います。

「カラーパイ」の説明

「カラーパイ」とは、マジックの各色が持つ哲学的な背景思想のことであり、他の色との関係性を示します。マジックの主席デザイナーであるマーク・ローズウォーター/Mark Rosewaterは、各色の「カラーパイ」を以下のように説明しています。

は秩序による平和を求める。

は知識による完璧を求める。

は好機による力を求める。

は行動による自由を求める。

は理解による受容を求める。

カラーパイについてもっと詳しく読みたい方は、こちら(リンク先は英語)からどうぞ。

こうすることで、どのようなプレイスタイルに惹かれても、「君はその色なんだね」と声をかけることができます。選んだ色の哲学を理解することで、プレイヤーの中にその色への帰属意識が育まれます。そうなることで、より深く満足感の高いプレイ体験を得られるのです。あとは自然と、このゲームを続けるようになるでしょう。

イロハの「ロ」:「戦略」からは、戦略以上のことが学べる。

ステージ2へ進むと、「土地、呪文とは」や「マナとは」から「土地と呪文の最適な比率」や「マナカーブとは」へ教える内容が変わります。

しかしマットの目指す最終的な目標は変わらず、「心に残るゲーム体験を生み出す」ことです。

ここでは、うまく利用することで驚くほど強力な力を発揮する「カードの相互作用」を教えていきます――例えば(マジック『ウェルカム・デッキ』の赤のデッキに収録されている)《火炎放射》をタイミングよく使うことで、対戦相手の盤面を一掃することができる、ということを教えるのです。

強力な効果は快感を生み出し、プレイヤーたちはさらなる快感を求めるようになります。

「気持ちの良い体験をすることで、このゲームはもっと面白くなりますから」と、マットは言います。

イロハの「ハ」:「遊び方」からは遊び方以上のことが学べる

ゲーム自体の遊び方をしっかり教えると、今度は時々ローカル・ルールも交えながら、ドラフトを行う上でのエチケットやスタンダードのローテーションなど、様々な要素を教えていきました。

例えば、プレイヤーたちをドラフトに慣れさせるため、マットは各プレイヤーにひとつずつブースターパックを配り、いくつかピックした後にそれを別の方向に渡すという「ドラフトごっこ」を行いました。

「ピックした後のカードは重ねて渡さない」ことや基本土地の取り扱い方など、経験豊かなプレイヤーにとっては当たり前のことをひとつひとつ理解していくことで、これまで謎に包まれていたマジックのすべてが「開放」されたように感じるのです。

そして新しい知識を得たら、それを試さずにはいられないものです。

「こうやって教えた親子が、今では毎週土曜日に欠かさず来てくれていますよ」と、マットは言います。「遊び方をしっかり理解したことで、このゲームに夢中になったんでしょうね」

このように丁寧に教えていくことで、マットはほとんどゼロの状態からコミュニティを築き、力強く維持していくことに成功したのでした。

「ウェルカム・デッキ」やマットのアイデアを活かすために必要なものについては、ぜひ私たちにご相談ください

本日の店舗

Big Daddy Games

所在地:フロリダ州、セントオーガスティン(人口13,000人)
WPNレベル:アドバンス・レベル
開店日:2015年12月
店舗の大きさ:241平方メートル
ウェブサイトwww.facebook.com/TheBigDaddyGames

By Matt Neubert

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