2020/02/18

Michael Bahr: 「ブースター・ファン」とマジックの斬新な美学

「プロジェクト・ブースター・ファン」は、マジックのコレクション性を全く新しいレベルに引き上げました。それは、コレクションに興味がないファンも惹き付けるほどです。

2020/02/18

Michael Bahr: 「ブースター・ファン」とマジックの斬新な美学

「プロジェクト・ブースター・ファン」は、マジックのコレクション性を全く新しいレベルに引き上げました。それは、コレクションに興味がないファンも惹き付けるほどです。

By Michael Bahr, managing partner of Desert Sky Games in Chandler, Arizona

ここ1年の間に、特別な仕様のカードやフォイル仕様のカードがさまざまな形で登場しただけでなく、新たなブースターパック製品も導入されました。

『基本セット2020』では、プロモパックが登場しました。『エルドレインの王権』では、コレクターブースターが登場しました。

このように短期間で変動が起こると、多くのプレイヤーが混乱する可能性や需要に対して製品が飽和してしまう恐れがありましたが、そうはなりませんでした。すべてのブースター製品が、売れ続けています。

なぜでしょう?それは、マジック・ファンはそれぞれ求めるカードが異なり、「プロジェクト・ブースター・ファン」がニーズを多方面に満たせるようマジックに革新をもたらしたからです。プロジェクト・ブースター・ファンがもたらした革新は、現在進行系でマジックのアートやカード枠、その他のカード仕様の変化を推し進めているものもあります。

そしてこうして続々と生まれている新しいカード仕様が、あらゆるタイプのプレイヤーのニーズを満たす結果につながっているのです――それは、コレクションに興味がないファンも惹き付けるほどです。ここでは、その理由についてお話ししましょう。

さまざまなマジック・ファンがそれぞれ異なるタイプのカードを求める

ウィザーズは、さまざまなプレイヤー・タイプが好むプレイ・スタイルをもとに、カードの機能をデザインしています。一方、ホビー/ゲーム店の世界では、お客さまの購買傾向にもとづいてタイプ分けをしています。

リミテッド好きのプレイヤーは、ドラフトをプレイするために製品を開封します。競技志向のプレイヤーは、最も手に入りやすいバージョンのカードを求めます。彼らにとって、スリーブに入れて使えることが大事なのです。そして私たちが最近注目しているのは、カジュアルな統率者戦のプレイヤーです。彼らは特別なカード仕様のものをよく求めます。

プロジェクト・ブースター・ファンは、それぞれのプレイヤーにそれぞれに合った仕様のカードをもたらします。

私たちの場合は、まず「コマンダー国」(いや、コマンダー星)の住民から取り組みました。彼らは特別な仕様のカードを好み、近年数を増しているため、効果のほどがわかりやすいためです。

『エルドレインの王権』で、これまでにないデザインのカード枠が登場しました。ブースターパックやコレクターブースターから出現する、本のようなデザインの「ショーケース版」カード枠です。この意匠を凝らした刺激的なカード枠は、あらゆる部分で成功でした。カジュアルな統率者戦プレイヤーたちは、これ以上ないほど喜びました。もちろんこれで終わりではありません。

『テーロス還魂記』では、星座をかたどったショーケース・フレームが登場しました。「星座」仕様の神々が公開されるなり、統率者戦のプレイヤーたちは大騒ぎでした。

さて、このように「ブースター・ファン」は統率者戦のグループに大きな恩恵をもたらしました。では、残る2つのグループ――ドラフト好きと競技志向のプレイヤーは?なぜコレクション性の高い特別な仕様のカードを求めるのでしょうか?

実は、そうではありません。それらのグループも、それぞれのものを求めるのです。すなわちドラフトの機会や環境の主力カードを。

特別な仕様のカードが必要なくとも、新たなブースター製品の開封を楽しみます。なぜなら、特別な仕様のカードはトレードに有用だからです。競技志向のプレイヤーにとって、特別な仕様のカードはデッキに加える通常版のカードとのトレードの種になります。特別な仕様のカードを引き当てれば、その分主力カードとの交換に使えるのです。

スタンダードのセットごとに登場する新たなカード枠、複数のブースター製品から出現し「驚き」をもたらすフルアート版プレインズウォーカー、「ブースター・ファン」の理念にもとづいて構成されたさまざまな製品……マジックは今、幅広い顧客層に求められる体験を生み出しており、まだ新たな地平を切り開いています。

そして『イコリア:巨獣の棲処』で最高潮を迎えるでしょう。

2020年は、まさに「統率者戦の年」です。『イコリア:巨獣の棲処』では、史上初めてスタンダードのセットと統率者デッキが同時に発売されます。さらに、コレクターブースターも脇を固めます。

どのような盛り上がりを見せるのか、楽しみで仕方ありません。

(マイケル・バール/Michael Bahrは、アリゾナ州チャンドラーに店舗を構える「デザート・スカイ・ゲームズ」の執行役員です。  アリゾナ州立大学で法律の学位を取得した彼は、行政の健康管理職として7年勤めたのちに現在の職に就き、またレベル3ジャッジとしても4年間にわたり精力的に活動していました。)

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